119話 こわいもの

 先日の話だが渋谷で恐怖心展いったあとに上野に移動し藝大の学祭に行った。どちらも人がなかなかすごかったが面白かった。

恐怖心展は常にがやがやしてるし並んでいる人も多いためか特に怖くなかったが、展示を見ながら同行者とあれやこれや話すのが楽しかった。怖いものは千差万別で、同じものが怖くても理由や原因は違ったりする。誰もいない中一人でまわったらそれはさすがに結構怖いと思う。

藝祭では神輿や学生の制作物を見た。神輿、立体物でどこからどう見ても逐一画がキマっていて美しいからすごい。立体では鉄の棒?を溶接?して海の入り江の波を表現しているように見えたやつが好きだった。

ちなみに絵の展示棟を見ていたとき、都会の夜景の絵があって表現の仕方はすごくいいなと思ったのだが、絵具でぷつぷつと等間隔でいっぱい置いてある、光る窓を表現している部分を見て、ああ自分はこれが怖いのだなとふと気づいた。不快でもあるけど、恐怖が勝つというか、生理的に受け付けがたい感じがあって鳥肌がたっていた。そういえば何度か見た悪夢の中で「自分の腕がぷつぷつしてきて見ているうちにマグマのようになりどろどろに溶けおちていく」というものがあり、関連するものを感じる。等間隔で細かい立体的なぶつぶつがずらっと並んでいる状態が自分は怖い。先に恐怖心展に行ったおかげでそういう点に鋭敏になっていた気がする。行ってよかった。

帰り際、祭りも片づけに入る中で夕日を浴びながら出店のかき氷を食べた。友人たちもかき氷食べたりソーダ飲んだりしていたので写真を撮った。近くではバイオリンで千本桜が演奏されていて人が集まっていた。地面に落ちる影を眺めていたら溶けたかき氷の欠片が足元に落ちていった。まぶしいくらいに夏の終わりだと思った。

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