125話 浮いたり沈んだり

 人に本を薦めた。『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』をだ。複数人数がいる場で話に出したくらいで特定の人物に薦めたわけではなかった。

後日、「あの本読みました。面白かったです。薦めてくれてありがとう」という旨の返答をその場にいたある人から頂いた。本をよく読むことを知っている、尊敬する人の一人だった。久々にそれをきっかけにやりとりをしたこともありとても嬉しかった。まさかあのぽっと出たおすすめを聞き読んでくれたとは。嬉々として続刊を薦めておいた。

何気ない言動に反応してもらえることは意識外からくることもあり、ひょっ、と嬉しい。逆に、自分も言えるようになりたいとも思う。

一方で今日は雑談に失敗した。失敗ってなんだよ、って感じだが失敗したと思う。ここで言わなかったのでもう2度と言う機会はないだろう…いや…そんなことないか?まだあるかも。機会。

場の取り回し役になっていると、どうしてもいっぱいいっぱいになってしまう。余裕がない。いまだに。もっと自分を遠くから眺めたい。

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