54日目 むずがゆいときは眺める
手足がむずむずする。ひとまず起きて水を飲んだ。しかしおさまらず、しばらくやたらと身体を動かしてみた。具体的には正拳突きや上段の蹴りなどをした。しかしさほど効果もなく、諦めて水を飲みながら窓から外を眺めた。こう見ると夜にはそぐわないほどに明るい。マンションの電灯、道路の街灯。あそこを歩いている間は暗く感じるのだけれども。ここから見ると、明るく、ただし色を失って見える。一瞬静止画のように見えたけども、調子の悪い電灯がまたたいたようで、生きているとわかった。雲がぼこぼこと波打っている。触ったらコンクリの壁の、削れてざらついた触感がしそう。意外とひんやりはしていなさそう。ひとしきり眺めているうちにむずつきは治っていた。この日記を書いて寝ることにする。
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